事業局文芸担当(自称)ヨンエルンです。
産経新聞としてもお世話になっている歌人、永田和宏先生の「歌に私は泣くだらう」が、講談社エッセー賞をに選ばれました。おめでとうございます。
本書は、永田先生が、妻・河野裕子先生(こちらも著名歌人)の、乳がんの発症から小康状態を経て再発、そして亡くなるまでの約10年間の歩みを、赤裸々につづったエッセイです。
昨年の夏には、NHKのBSプレミアムで「うたの家」としてテレビドラマ化もされました。
河野先生の死後、永田先生の著書や河野先生の著作の採録本、2人の歌とエッセイを再編集した書籍など、関連書籍はかなりの数が出版されました。
産経新聞夕刊の連載「お茶にしようか」を編集した「家族の歌」も、大変多くの方に読んでいただいたそうです。
そうした数々の本のなかでも、「歌に私は泣くだらう」は、おしどり夫婦、仲のよい家族と想いがちな永田家が、河野さんの病気を巡って家庭崩壊にまで至りかけたこと、そしてそこから立ち直ったことを、「こんなとこまで書いていいの」というほどにじっくり書いているのが印象的でした。
*具体的な状況は、永田先生が相当神経を使って描写をされているので、本書を直接お読みいただくことをおススメします。ググれば出て来るけど。
永田先生、おめでとうございます。
河野先生の名を冠し、河野先生が生涯歌い続けた家族、そして恋・愛をテーマにした公募短歌大会「河野裕子短歌賞」は、8月16日を締切に現在も募集中です(中高生向けの《青春の歌》は9月5日必着)。
河野裕子 絶唱
手をのべてあなたとあなたに触れたときに息が足りないこの世の息が
永田和宏
歌は残り歌に私は泣くだらういつか来る日のいつかを恐る